小学生の部

佳作

『ハジメテ』とは
八幡市立美濃山小学校 6年 坂本 絢音さかもと あやね

 「私って『天才』なんだって」
 普段自慢なんかしない友達が急に言ってきた。小三の春、初めての習い事で初めてできた友達に。何かあったのだろうか、不安になった。するとその子が言った。
「私に才能なんかないのにね」
「私が最初から賢いわけないのにね」
 小三からの勉強、見える世界、すべてが初めてからはじまる。『ハジメテ』のことに必死になって、『ハジメテ』結果が出た時に、「今までしたことは無駄じゃなかったんだ」と思い、さらにもっと必死になる。それを努力というと思う。
 もちろん生まれながらの『才能』を持っている人もいる。『運命』だってそうだ。かしこくなりたくて努力をしてもならない事もある。なんならそのほうが多い。金がなかったり、親が協力的でなかったり、さまざまなことがある。
 『ハジメテ』なんて『平等』じゃない。
 私で言うと、『ハジメテ』習い事に行った時に同じ成績だった子が、いまは私をはるかかに超えている。つまりとても賢いということだ。その子は『才能』があった。これはみんな知っている。でもみんなはその子を「天才」だとは言わない。なぜならその子の努力を、みんなは『知っている』からだ。
 『知っている』はとても重要だ。「天才」と言われたあの子だってそうなんだろう。ほめ言葉だってことはわかってる。でもそれなら「すごーい」とか、それだけで充分だ。充分嬉しい。
 『ハジメテ』なんて平等じゃない。でも時間は平等だ。必死に努力したら超えれる壁の方が多い。何事も『ハジメテ』は大変だけど、努力は報われる(報われない努力もあるが)と思ってこれからも進んで行けたら良いと思う。

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