私はじゅくの前にいる、おじぞうさんにいつもお礼をしている。四年生のころはしておいた方が良いと思ってお礼をしていた。しかし、今はお礼をするたびに心の中でねがいごとをしている。どうしてかというと、お礼をすると良いことがあるし、ねがいがかなう時もあるからだ。だから、じゅくの帰りは、
「ありがとう」
と言っていた。
ある日、お礼をするのをわすれてしまった。そんなことも知らず、じゅくに行ってしまった。席についた私は、持ち物を確認した。すると、ノートをわすれていた。さらにその日は、とけなかった問題が多いテストが返ってくるのだった。そこで私は、おじぞうさんにお礼をしていなかったことに気づいた。だから帰りは、
「ごめんなさい」
と言い、五円玉をおいて帰った。家に帰るといいにおいがした。夜ごはんがハンバーグだったのだ。私は、とてもうれしかった。おじぞうさんのおかげだと思った。
次の日、いつものようにお礼をしようとおじぞうさんの前に行くと、あめ玉が五つならべてあった。少しおもしろかった。でもなぜか、うれしかった。
今の私は、小さなお寺やおじぞうさんの前を通った時は、必ずお礼をするようになった。