「それではFMひらかたの最後のコールサインです。JOZZ7AG−FM、こちらはFMひらかたです。二十五年にわたりみな様に放送をお届けしてきましたが、これをもちましてFMひらかたの全放送プログラムは終りょういたします。これまでお聞きいただきまして、誠にありがとうございました」
これは、「FMひらかた」というラジオ局の「最後の放送の日」に流れた言葉だ。
「FMひらかた」とは、一九九五年に起こった「阪神・淡路大震災」がきっかけとなり、災害時の情報伝達手段として、一九九七年一月十五日に大阪の枚方市に開局したコミュニティラジオ局だったが、残念ながら二〇二二年二月二十八日に閉局してしまった。
「二十五年前と比べると、今はほとんどの人がインターネットを使うようになって、情報伝達手段の多様化が進み、FMひらかたを聞く人が少ない」というようなことから、枚方市からFMひらかたへの「放送委たく料がはい止」され、それが閉局した原因だそうだ。
ぼくの同級生達のほとんどはスマホを持っているが、ぼくはインターネットができるものを何も持っていない。ぼくみたいな人、スマホ等を使いこなせない人、目が不自由で耳から情報を知る人等は、インターネットから情報を知るのは簡単ではない。
二〇二二年の七月に大規模通信障害があったが、もしその時に大きな災害が起きていたら、情報を知ることがおくれ、困る人が多くいたかもしれない。ラジオもインターネットもそれぞれ良いところがあると感じる。だからどちらかにたよるのではなく、両方とも好きなように自由に使えるのが一番良いのではないかと思う。
ぼくは「FMひらかた」が大好きだから、ぼくの願いは、「FMひらかたの復活」だ。ただ、ラジオの放送に必要な「放送めん許」が失効されているから無理なのは分かっている。それでもいつかまた、家族みんなで楽しく聞ける日がもどってくることを願っている。