一年のころ、ぼくはほとんどあいさつをしていなかった。お母さんにも「あいさつしなあかんで」と言われていた。しかし一年のぼくは、なんであいさつなんてしなければいけないのだろうと疑問に思っていた。
ある朝、登校班で歩いているときに、おじさんが「おはよう」と言ってくれた。
「おはようございます」
と大きな声で言っていたのだが、ぼくは何も言わなかった。するとおじさんは少しかなしそうだった。それからぼくは、なぜあいさつをしなければならないのかを考えていた。すると先生が、
「あいさつをしたら、した人もされた人もおたがいにうれしくなるよ」
とおっしゃっていた。ぼくはためしにあいさつをしてみようと思った。
次の日の朝、ぼくも小さな小さな声だったけれど、
「おはようございます」
と言った。するとおじさんは、うれしそうだった。ぼくもうれしくなった。あと少し気持ちが良かった。その後、学校でも楽しく過ごせて、とても満足できる一日になった。ぼくは初めて、あいさつにはすごい力があると感じた。あいさつの力を知って、あいさつをするようなった。すると、となりの家の人などからも、
「よくあいさつしてて、えらいね」
と言われた。そのときぼくは、とてもうれしかった。
夏休みあけ、また、楽しい一日が始まる。なぜなら、あいさつがあるからだ。