小学生の部

優秀賞

なみだの別れ
八幡市立中央小学校 6年 丸岡 優知まるおか ゆうと

 私は、すぐに泣いてしまいます。例えば、映画で人が亡くなってしまう場面を見た時、YouTubeにある感動する物語を見た時などに号泣ごうきゅうしてしまいます。そんな、すぐに泣いてしまう私と、小さくなってしまった衣服とのつながりのお話です。
 私がまだ小さいころのことです。平均の人よりも横に大きい私は、せっかく買ってもらった私に似合う服が、すぐに着られなくなってしまいました。そこで母が、
「もうその服、小さいから、ありがとうって言って捨てや」
 と言いました。そこで私は、その服をゴミ箱まで持っていくのはいいのですが、なぜかゴミ箱の前まで来ると、突然涙があふれてくるのです。そして、五分程泣いた後に、泣き声で、
「ありがとう」
 と言って服を捨てるのです。
 泣いている私を見た母と父が口をそろえて、
「なんでそんなに泣くん?」
 と、励ます事もなく少し笑いながら追い打ちをかけてくるのです。この時私は、
「なんで励ましてくれへんの? なんで追い打ちかけてくるん?」
 と悲しくなります。そして、だんだん励ましてくれない悲しみがわき出て、また泣き出してしまうのです。
「まだ入るからもう一回ぐらい着たいなぁ」「きのうまで、いっしょにいたのに、捨ててしまったらこの服どこに行ってしまうの?」と思うと、またさみしさがこみあげてきて、さらに涙があふれ出すのです。
 ちなみに今でも、ずーっと着ていた服を捨てる時になると、少し悲しくなります。でもこのお別れの儀式にもなれてきたので、今はもう泣きません。
 これが、私と小さくなった服とのつながりの話です。

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