小学生の部

大賞

元気にしていますか
八幡市立美濃山小学校 6年 和田 莉子わだ りこ

  長期休みに入るとやることがある。宿題はもちろんのこと、浮島うかしまに住んでいるひいおばあちゃんに手紙をかくのだ。しかし自主的にやるのではなく、母に言われてかくだけなのだが。浮島は本土からだと、橋をわたり、大島という島に行き、そこから船に乗り、やっとたどりつくという、とても小さな島だ。私の家からだと八時間くらいかかるらしい。
 浮島に最後に行ったのは、私が、六才の頃である。その時のことはほとんど覚えていないけれど、絵の具では作ることができなさそうな、深緑の広い海で泳いだことと、つりをしてつった魚を、ひいおばあちゃんが目の前で、さばいてくれたことは覚えている……つもりだ。
 なんといっても、写真を見てなんとなく覚えているだけだから。今はもう、色々な理由で浮島には行けていないけれど、もう一度あの深緑の広い海で泳いでみたいものである。ピチピチの魚をさばいてくれた、元気でパワフルなひいおばあちゃんはまだ今も、元気に魚をさばいているのかな? ほとんど記憶のないひいおばあちゃんのことも、なかなか気になるものである。
 だから私は、乗り気でなくてもひいおばあちゃんに手紙をかくのだ。私の手紙の返事だって、八十才を過ぎたひいおばあちゃんのたっぴつの字だ。読むのにも一苦労する。それでも、うれしい。それでも、大切にしたいと思う。
 私は、手紙をかけばだれとでも、つながることができると思う。なかなか会えないひいおばあちゃんでも。返事が返ってくるとうれしくなる。私の手紙で、ひいおばあちゃんに元気を分けてあげられたらいいな。私はこれからも、たくさん手紙をかこうと思う。手紙をかき続けたらいつか、ひいおばあちゃんに、会えるような気がするから。

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