中学生の部

佳作

音楽がつないでくれたもの
佐渡市立松ヶ崎中学校 3年 木下 幸きのした さち

  現代には、学校、親戚、職場、インターネットや本など、たくさんの人と人がつながるきっかけがある。その中でも音楽は私の人生の中で、人と人とのつながりにおいて、最も重要な存在だ。
 好きな曲が一緒で、初めて話す人と仲良くなれたこと。自分の気持ちを、他の人に表現すること。年齢や住んでいる場所が違っていても、素晴らしい演奏を聴いて、その感動を共有すること。それらは全て、音楽がきっかけで起きた人と人とのつながりだ。
 新型コロナウィルスのせいで人同士が直接会うことが難しくなってから、音楽はさらに日本中、いや、世界中の人々のつながりを手助けしてくれている。新型コロナ禍の中であっても、私は大好きな音楽がきっかけで、ピアノの先生に出会うことができた。私が、もし、音楽に興味がなくて、ピアノを習いたいと思わなかったとしたら、多分、その先生とは今でも、名前は知っているけれど話したことすら無いような関係になっていたと思う。
 また、時に音楽は、人と人とをつなげるだけでなく、それぞれの人の中にある様々な考えをつなげて、一つの答えにたどり着かせてくれる。思い返してみれば、私がこれまでの人生を送ってきて、落ち込んだり悩んだりしたときは、いつもそばに音楽があった。
 例えば、私って全然だめだな、辛いなとネガティブな考えがぐるぐるといつまでも頭の中をめぐり続けて、暗い気持ちになるとき。そんなときってたまに、
「うまくいくよ」
「こうすればいいんじゃない?」
 など、自分のために言ってもらった言葉を、つい、うっとうしく感じてしまうことがあると思う。でも、私にとって音楽は、そんなとき、前から手を引っ張るのではなく、後ろから背中を押してくれるのでもなく、手をつないで一緒に歩いてくれるような、そんな温かくて優しい存在。私の心を見透みすかしているように、頭の中でぐちゃぐちゃになった考えをくみ取り、つなげて、なんで悩んでいたのだろうって思えるくらい、明るくポジティブな気持ちに導いてくれる。
 このように、音楽は私たちの生活の中にある様々な「つながり」と深く関わっていて、時には人と人とのつながりを助けてくれたり、時には様々な考えをつなげて、一つの答えにたどり着かせてくれたりする。私は、そんな音楽に、本当にたくさん助けられてきた。
 音楽は世界に無くてはならない、大切なものだと思う。どんなに世界が変わっていったとしても、音楽だけはずっと残り続けてほしい。
 音楽は私の宝物。だから、私は、そんな音楽をこれからもずっと、大好きでいたい。

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