中学生の部

佳作

似ている
八幡市立男山中学校 1年 加儀 月子かぎ つきこ

  昔、お母さんがやっていたことを私は知らぬ間にやっているときがあり、その度に二人で笑っている。血が繋がっているからか、自分が知らなくても、まねをしていることがある。
 小学生高学年になった頃ぐらいから、知らない間に、お母さんの子供の頃と同じことをしていることがよくあった。
 私が一人もくもくと鏡の前でいっぱいヘアピンをつけまくっていると、「お母さんもやってたわ」とお母さんが言い、少しはずかしかった。そしてうれしかった。お母さんは子供の頃、かみの毛をむすんだり、とめたりしてよく遊んで学校に行っていたらしい。そして、私が小さい時、よくかみの毛をむすんだりしてくれた。私はそれがうつったのかなと「ふっ」と笑った。
 ほかにも、細長いタオルをこしにまいて、おすもうさんのまねをして笑ったり、ぬいぐるみが好きで、ねる所に、ぬいぐるみをいっぱいおいたり。お母さんの昔をたどっているみたいでとても面白く、すごいなと思う。
 「プルルルル……」。お父さんから電話がかかってきて、私がとると、たまに弟と間違えられる時がある。それはお父さんじゃなくても。私と弟は声が似ており、たまにこのようなことがおきる。それが二人とも面白く、楽しくて、よく笑っている。二人の声の関係でこんなこともあった。
 お母さんがキッチンで料理していて、私と弟がリビングでけんかをした時、「何をしているの!」と私の名前を呼んだ。しかし、けんかのもとは弟だった。私が、「今言ったの弟だよ」と言うと、さっきまでの空気がなかったように三人で笑った。この時私は、「似てるって面白く、すてきなことだな」と感じた。
 血の繋がりや家族の形は人それぞれだけれど、そんなのは関係なく、自分のみぢかな人とすごしたり、見たりして少しずつ似てくるものだと私は考える。このような「つながり」はとても面白く、少しいやだったり、こわかったりするけれど、すてきだなと思う。なぜなら、「ここが似てるね」と、家族の会話の話題も広まり、みんなが笑顔な時間が増えるから。
 このつながりを私は大切にしていきたいです。このような気持ちが多くの人に広まってほしいです。そうすれば、世界はより豊かに、平和ですてきになると思います。

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