ぼくは、学校が終わると、よくみちくさをして怒られた。
ぼくの家は、学校から歩いて5分のところにある。
ゆっくり歩いても、15分かからない距離だ。
学校が終わると、雑木林があって、そこを通ると、つい時間を忘れてしまうのだ。
秘密基地も友達と沢山つくって遊んだ。
あまりに帰りが遅いので、親から学校に連絡がいって、学校の先生からも怒られたこともあった。
怒られるといやな気分になった。
コロナが日本で流行りはじめた。
ぼくは、みちくさをしなくなった。
学校でもみんなゲームの話しかしなくなった。山のことや、川遊びのこと、虫の話をする友達が、だんだんいなくなった。ぼくも仕方なく、嫌いなゲームをはじめた。
ぼくは、学校が終わると、一人で走って家に帰るようになった。
みちくさをしていた頃は、怒られはするけど、楽しかった。
みちくさをしなくなってからは、怒られなくなったけれど、ポツンと心に穴があいた。
コロナはいろいろなものをぼくからうばっていった。