中学生の部

佳作

日常にとっての小さくも大きな変化
八幡市立男山第三中学校 2年 田中 鈴たなか りん

 最近、世の中では「新型コロナウイルス」というとても恐ろしい病気が流行している。このウイルスは、人から人へと伝染する病気だ。このウイルスにかかり悪化した人は、死にいたる。しかしこの伝染病の恐ろしさを全然理解していない人々は、人の密集する場所へ行き、買い物や食事をした。もちろんその病気が人に感染し、集団感染のパンデミックが起こった。
 そして、自分がウイルスに感染していないと思っている人が全国各地にいったりし、全国に広がった。ついには、緊急事態宣言が全国に出された。だが気づいた時にはもう遅く、どんどん死者が出た。ウイルスに詳しい専門家によると、約2メートル離れると、感染することはないとのことだ。もちろん皆その言葉に従おうとしたことだろう。するとその言葉は全国中の「店」に響いた。
 店には会計をするためにレジがある。だが会計をしようとする人が何人もいると、列というものができてしまう。
 すると人が密集してしまい、集団感染が起きてしまう。だがそのために店をしめるわけにはいかない。そして考えに考えた結果、2メートルごとに印を付けて並んでもらおう、とのことだった。
 そんなある日、何も知らない私は感染予防のマスクをつけ、スーパーへ出向いた。買い物をしている人はさすがに少なかった。買う物を手に取り、レジへ向かった。レジで会計をしている人が一人、少し離れた所に並ぶ帽子をかぶった女性が一人いた。私はその女性の後ろに並んだ。その時だ。「おい! ちゃんと印の所に並べ! 見えてねぇのか!?」と、大柄の男がイライラし、怒鳴ってきた。大男が自分の足元を指さして言ってきたので、男の足元を見ると、「こちらにお並びください」という印があった。私は男に近づき、頭を下げた。だが私は何を思ったのか、「すいませんでした。でもここは結構人いるんでもう少し小さい声で言ってください」と小声でいった。そして私は人生ではじめて胸ぐらをつかまれた。男は私に「だまれ」と言い放ち、会計をして店を出ていった。それから私は五分ほど座りこんで、心の中で大泣きしていた。
 それから私はスーパーに行くのが怖くなった。だが買い物に行かなければならなくなってしまい、私は雨の中全力ダッシュでスーパーへ行き、商品をとり、レジへ直行した。もちろん印の所に並んだ。だがその時、私の前にとても優しそうなおばあさんが並んだ。そして私はあの悪夢を思いだした。こんな優しそうな人に、私のような目にあってほしくない。そう思い私は小声で、「おばあさん、印の所に並んだほうがいいよ」と優しく言った。するとおばあさんは申し訳なさそうに笑顔で後ろに並んだ。私は何故か心があたたかくなり、良い事をした気分になって笑顔になった。
 このときから私は、人生失敗が付き物だと、なにがあっても笑顔で話し、周りの事を気づかうようになった。

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