中学生の部

佳作

絆の結晶
八幡市立男山おとこやま中学校 2年 山下 航平やました こうへい

 人を信じず、人を嫌い、人に関心を持たない。小さい頃の私は、人と関わりたくなかった。だから、人と関わっている人が不思議だった。
「なんで人と話しているの? 楽しいの?」
 と私が聞くと、その人は、
「人と関わると、楽しさ、悲しさがあり心が軽くなるんだよ」と言って去っていった。頭が空っぽになった。幼かった私は「人と関わる」なんてよく分からなかったけれど、話してみたい気持ちになったのは覚えている。
 十日後、同級生に話しかけられた。だんだん話していくうちに私は、話すってこういうことなんだという楽しい気持ちでいっぱいだった。でも、休み時間が終わるにつれて皆が席に戻っていくと寂しかったし、次も話せるかなと不安になった。今日遊ぼうといわれた時、元気いっぱいにうなずいた。公園に行っているときは、楽しくて楽しくて心臓がはじけてしまいそうだった。公園には誰も居なかった。絆なんて嘘だ、そう思った。そのときだった。後ろから突然、クラッカーの音と、「誕生日おめでとう」 という声が届いた。その声に不安は一気にかき消された。笑顔になった。そして言い表せないような嬉しさがあふれて、涙が勝手に出てほおを伝った。私が初めて「友情」と出会った時だった。この時、人を嫌っていた自分から人が好きな自分になった。まさに、旅立ちそのものだった。
 その後の誕生パーティーで、皆と遊んでいるとき、私はまた泣いた。友情の結晶が完成したから。


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