小学生の部

優秀賞

でめたろう伝記
八幡市立美濃山みのやま小学校 6年 井上 真之介いのうえ しんのすけ

 キッチンに行き朝食を食べていると、いつも決まって横を見る。そこには効果音をつけると「のべー」というふうに、黒いデメキンが座っている。このデメキンは、もう五、六年ここに居る。確かこやつを飼い始めたのは一、二年の夏祭りからであった。
 夏祭りといえば? と聞かれてだいたい最初に頭に浮かぶのは金魚すくいである。なので、一、二年のまだ好奇心おうせいだったぼくは夏祭りで金魚すくいをする。本当は金の金魚がほしかったが水そうには赤や黒しか見あたらない。しかたがないので赤をねらっていたが運の悪いことに黒を一匹すくってしまった。心の中では、ガーンという音がなっていた。しかたなく持って帰ってマイ・水そうに入れてやると、なかなか見ごたえを感じたのを今もおぼえている。しかし見た目が奇妙だ。目がつき出ていて気持ちが悪くて面白い。その時心の中で「気に入った!!」という声が聞こえた。それからは、水そうを洗うのはもちろん小さな植木鉢なども用意した。
 それから月日が流れ確か三年生ぐらいにぼくがなったころ水そうに新しい赤金魚が入った。すると赤金魚が黒いデメキンを追いかけ、いじめているかのような事をし始めた。その時初めて金魚の世界にもそういったおぞましいものが存在することを知った。
 それからさらに月日が流れ赤金魚がおだぶつされぼくが四年生になったころ黒いデメキンに名前を付けた。その名は「でめたろう」。なぜ男なの? と言われるかもしれないがオスのほうがぼく的に自然だったのだ。だから簡単に言うと特に意味はないのである。
 祭りで手に入れたねらってもいなかったデメキンだが、六年も屋根の下で一緒にいたらもう、このデメキンも仙人レベルだろうし、「でめたろう」は大事な宝物である。


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