中学生の部

優秀賞

色々な自分との出会い
板橋区立向原むかいはら中学校 2年  小澤 里咲おざわ りさ

 私の一番の出会いは「自分」との出会いだ。
 私のなかには様々な自分がいる。無邪気な自分。嫌なことがあるとすぐに投げ出す自分。真面目に何でも取り組もうとする自分。他人のことを見下し、「ウザイ」、「ダサい」と笑う自分。他人から言われたことに従おうとする自分。それにまた反発し、自分に正直でいたいと思う自分。
 それぞれの自分が感じることも、姿形も実に様々でそれを客観視している自分からするととてもユニークで面白い。
 頭がはじけそうなくらい思考回路が忙しいのにもかかわらず、矛盾した自分の主張が次々と出てきて、それを言語化し自分のなかで整理していく。その上でそれぞれの主張に対してあきらめるように説得したり、許可を出したりする。それが客観視する私の役割だ。まるで会議で部下の意見を取りまとめる上司の気分だ。
 最初は本当に大変な作業だった。何より脳内が常にうるさい。「○○した方が良い」、「いや、○○が良い」、「いやいや、○○で○○だから」。何をどうしたら良いのかさっぱりわからない。
 一つ、自分の主観で「それでいいよ」と言ってみると「私のことなんかどうでもいいの?」と頑固でワガママな自分が泣き出す。困り果てた私に、それを見かねた他人に気を遣いすぎてしまう自分が私をなだめる。そんなことの繰り返しだった。
 そんな毎日を送るなか、周囲の人との関わりで気づきが生まれた。例えば、「他人と自分、自分の気持ちと思考を切り離すことが大切だ」ということ。「例え、正反対の感情であっても誰しも色々な感情を持つことがある」こと。「自分なりに感情と向き合っていければ何かを諦める必要はない」ということ。
 そのひとつひとつの気付きを持つことで、改めて自分で考え、時に周囲の人に話をきいてもらいながら、自分自身が楽になっていった。
 また自分自身との葛藤があるなかで、周囲の人から言われた言葉の二つを紹介する。一つは、「色々な気持ちがあっていいよ。当たり前のことだよ」ということ。もう一つは、母から何気なく言われた言葉。「あなたは身体も心も忙しいね。でも一緒に居て楽しいよ」という言葉だ。
 私にとって、両者とも深く意味のある言葉だった。そして自分のことを明るくポジティブに考えられるようになるきっかけの一つになった。
 現在は、様々な感情が相互に出ることがあるものの自分なりに自分の感情と付き合っている。
 たくさん感情を否定し、葛藤し、自分を傷つけてしまうこともあった。だからこそ、「そんな自分でも良いよ。大丈夫だよ」と自分を甘やかし、自分を守ってあげられるようになったこと。そして、色々な自分を楽しめるようになったこと。それが自分との出会いで喜びを感じる瞬間だ。
 重要なことは自分で分かっているのだと思う。しかし、他人からしたら自分以外のことは見えづらい。それで良いのだろう。自分は自分として生きていければ。
 やはり、私の一番の出会いは「自分」との出会いだ。


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